全国に2817校ある専門学校は、職業や実生活に必要な知識と技能など、私たちが「自立して生きて行く力」の元になるものを学びます。
つまり、「職業教育」を行う高等教育機関でもあり、専門的な資格取得を目指しています。
専門学校の入学には入学試験の合格が必要ですが、大学受験のような大学入学共通テストなどはなく、学校ごとに入学試験を行っています。
専門学校の入学に向けて、受験準備から入学までを詳しく解説しますね!
試験の種類別合格のポイントも合わせて解説します。
専門学校の入学試験は大きく分けて3種類ある!
専門学校の入学試験は大きく分けて3種類あります。
- AO入試
- 推薦入試
- 一般入試
これ以外に特待生試験と呼ばれる試験もあります。
これらの試験についても詳しく解説します。
1.AO入試
「AO」とは
「アドミッション オフィス」=「入学管理室」のことです。
大学や専門学校で学生募集から入試などの実務を行う部署のことです。
「AO入試」とは
「アドミッションズ オフィス入試」のことです。
- 学校が求めている学生の基準(アドミッションポリシー)に入学希望者がマッチしているか判断する試験です。
- 入学希望者はクラブ活動やボランティア活動など各自の取り組みや、学校のアドミッションポリシーに沿った「学習意欲」「志望動機」などを伝えることができる入試です。
- 入学制度の変更で、2020年度から「面接」「作文」に加えて「学力の評価」を行い総合的に判断して合否判定を行います。
- 名称も「AO入試」から「総合型選抜」に変更され流ようです。
学校の「アドミッションポリシー」とは
学校が入学者を受け入れる方針を示したものです。
「どのような学生を求めているか」入学希望者に学校の方針を伝えるのがアドミッションポリシーです。
AO入試は学生と学校のどちらにもメリットのある入試方法です。
「AO入試」のいいところ
学校は
- 専門学校は入学希望者の「学習意欲」や「目的意識」を確認でき、意識の高い学生の入学を見込めます
入学希望者は
- 入学希望者は学習目標や学生生活が学校とマッチしているか知ることができます。
- 入学希望者の特性を活かせる入試の形態です
- 専門学校によってAO入学者の特典があります
- 合格後に入学前学習をスタートできる
専門学校の教員から見たAO入試合格ポイントがこれ!
専門学校のAO入試合否判定の基準は次のポイントを見て総合的に判断します。
- 面談や作文で「志望動機」「目的意識」「学習意欲」などの出願者の意思がはっきり伝わっているか
- 将来の目標を明確に定めているか
- 本校のアドミッションポリシーとマッチしているか
- 学力が基準に達しているか
「AO入試」の方法
エントリーの資格
- オープンキャンパスに参加している方
- 高等学校卒業見込みの方
面接
以下のポイントを判断するために複数回行います
- 「学習意欲」「目的意識」などを判断する
- 学生生活を適正に過ごすことが可能か判断する
- 職業の適性を判断することができる
- コミニケーション能力を判断する
作文
テーマや資料をもとにして文章を作成する課題ですが、下のポイントを判断します
- 与えられたテーマを正しく理解しているか
- 文章の内容はテーマに沿っているか
- 自分の意見をわかりやすく書き込んでいるか
- 文章の構成は読みやすいか
- 一字づつ丁寧に書いているか
- 誤字はないか
- アドミッションポリシーとマッチしているか
学力評価
文部科学省は2020年度からAO入試にも学力評価を義務付けています。
専門学校では教科の学科テスト、または大学入学共通テストの活用が行われます。
「AO入試」文部科学省が示している評価の改善点です
- 調査書等の出願書類の評価
- 各学校が実施する評価方法(必須)
- 小論文
- プレゼンテーション
- 口頭試問
- 実技
- 各教科・科目に係るテスト
- 資格・検定試験の成績等
- 大学入学共通テスト評価(必須)
- エントリーシートの積極的活用
- 活動報告書、
- 入学希望理由書、
- 学修計画書等
AO入試の申し込みから入学まで
- オープンキャンパスに参加する
- オープンキャンパスの参加が条件の学校がほとんどです。
- オープンキャンパスの参加が条件の学校がほとんどです。
- エントリー(申し込み)
- 開始6月1日以降がい多い
- エントリーシートに記入して申し込みます。
- 書類審査・面談
- 学習意欲や目的意識などの確認を行います。
- アドミッションポリシーに該当するかを判断します。
- 適性検査を行う学校もあります。
- エントリー前に面談を行う学校もあります。
- 出願
- 出願開始9月1日のところもあるが今後10月1日開始になる傾向がある
- 受験願書と必要書類を送付して出願します。
- 受験
- 最終面談をします
- 作文や適性検査を行う学校もあります。
- 学科試験を行う場合があります
- 合格者へ入学前の学習を行います
- 課題学習やレポートなどを入学前に行います。
- 課題学習やレポートなどを入学前に行います。
- 入学
面談質問(例)
- 本校で何を学びたいのか
- 美容室の家業を継ぎたいから美容科に入学して美容師試験に合格したい
- 美容室の家業を継ぎたいから美容科に入学して美容師試験に合格したい
- なぜ本校を選んだのですか?
- オープンキャンパスに参加してCGの作り方をわかりやすく解説受けて、どうしても入学したいと強く思ったからです。
- 設備が充実していて、学習しやすくて技術を学べると思ったからです。
- どのような学生生活を過ごしたいか?
- 学校で勉強しながらアルバイトをする生活です。webデザイナー検定に合格したいので、時間を有効に使いたいと考えています。
- 学校で勉強しながらアルバイトをする生活です。webデザイナー検定に合格したいので、時間を有効に使いたいと考えています。
- なぜAO入試を受験したのか
- オープンキャンパスに参加したときにAO入試のことを聞き、受験を決めました。
- 入学してwebデザイナーの勉強をしたい気持ちが強かったのでAO入試の受験を迷いはなかったです
2.推薦入試
専門学校の推薦入試は大きく次の3つに分かれています
1.学校推薦
- 学校長の推薦書が必要
- 欠席日数が3年間の合計15〜20日以内などの制限がある場合が多い
- 原則「専願」「単願」ですが併願を実施している学校もります
- 学習成績の状況に評定平均3.0以上などが条件の学校もあります
2.指定校推薦
- 専門学校が指定した高等学校だけが出願できます
- 推薦する人数は決まています
- 推薦基準(評定3.0以上)などの条件を設けている学校もあります
3.自己推薦
- 学校長の推薦は必要ありません
- 自分の得意な分野をアピールすることができます
- 学校のアドミッションポリシーを確認して自己推薦書を記入します
推薦入試の方法
推薦入試は「書類選考」「面接」「小論文」を中心に選考されます。
選考方法のチェックポイントは次のとうりです。
出願資格
- 学習成績( 評定平均3.0以上や4.0以上など)専門学校で違います
書類選考
出願された書類の選考項目
- 推薦書の記載内容
- 評定平均(高校1年からの平均)
- 出欠状況
- 学校の活動記録
- 生徒会活動、クラブ活動、ボランティア活動
- 資格取得
- 課外活動
面接
入学希望者の学習意欲など、選考項目を確認
- 学習意欲
- 目的意識
- コミニケーション能力
- 入学希望学部学科の理解度
面接試験合格のポイント
面接試験で重要なポイントは、面接官の質問を想定して答える練習をしておくことです。
定番の質問をいくつかリストにしてみます
- なぜ本校を選んだのですか?
- 本校で何を学びたいですか?
- 将来の目標はなんですか?
- 学生時代頑張ったことはなんですか?
質問に答えるとき注意するポイントはこれです
- 質問の意味に的確に答える
- 答えは結論から話す
- 聞くとき、話すときの姿勢・視線・表情に注意する
【1.質問の意味に的確に答える】
試験管の質問の意図を汲み取ることができないと、的の外れた答えをしてしまうことがあります。
例えば、学校の選択理由を質問されているのに、入学後の目標を答えてしまうなど、的外れな回答になってしまうことです。
的確に答えるためには、まず、試験管の質問をよく聞いて意図を把握してください。
【2.答えは結論から話す】
「結論から話す」ことは面接の受け答えの重要なポイントです。
最初に結論を話すと面接官が答えを理解しやすく、回答の的確さをアピールできる特典があります。
質問の回答は次の順序に沿って答えることが大切です。
- 質問に対する的確な結論
- その理由やエピソード
- まとめ
【3.聞くとき、話すときの姿勢・視線・表情に注意する】
姿勢
面接官の質問を聞くように向き合い背筋を伸ばして座ります。また質問に答える時も質問した面接官に向き合います。
視線
面接官のに顔を向け視線は眉間を優しく見ます。
表情
話をするときは明るい表情で、面接官の質問を聞くときは傾聴する姿勢を表すような真摯な表情で聞きます。
小論文
出題テーマに沿った論文構成を確認
- テーマを正確に理解しているか
- テーマに沿った回答になっているか
- 自己の考えを述べているか
- 論文構成はまとまっているか
- 誤字はないか
- 文字は丁寧に書かれているか
出願受付
ほとんどの都道府県で10月1日から受付開始のようです。
3月まで募集している学校もあるようです
3.一般入試
高等学校卒業以上ならば誰でも受験できます。
出願資格
- 高等学校卒業見込み
- 高等学校卒業以上
- 高等学校卒業程度認定試験合格
一般入試の方法
書類選考
出願された書類の選考項目
- 評定平均(高校1年からの平均)
- 出欠状況
- 学校の活動記録
- 生徒会活動、クラブ活動、ボランティア活動
- 資格取得
- 課外活動
面接
入学希望者の学習意欲など、選考項目を確認
- 学習意欲
- 目的意識
- コミニケーション能力
- 入学希望学部学科の理解度
出願受付
都道府県でことなっていますが10月1日からまたは11月1日受付開始されます。
3月まで募集している学校もあるようです
特待生入試
専門学校が独自で行っている制度です。
授業料や入学金の減額や免除を受けることができる特待生の採用試験です
選考方法
学力やスポーツなど優れた学力や技能を伸ばすための制度です。
選考方法は特待生の種類で分かれることがあります。
書類選考
出願された書類の選考項目
- 評定平均(高校1年からの平均)
- 出欠状況
- 学校の活動記録
- 生徒会活動
- クラブ活動
- ボランティア活動
- 資格取得
- 課外活動
面接
入学希望者の選考項目を確認
- 特待生の選考項目
- 学習意欲
- 目的意識
- コミニケーション能力
- 入学希望学部学科の理解度
学科試験
- 教科試験で学力の選考をします
専門学校入学試験の選び方
- 入学希望の専門学校の入試案内を確認
- 試験の種類を確認
- 入試の条件を確認
- 学校推薦入試を受けることができるか確認
- 学校推薦書を高等学校から受ける
- 出願期間を確認し出願
- AO入試を選択する場合
- オープンキャンパスに参加する
- AOエントリーを申し込む
- 一般入試を選択する場合
- 出願期間を確認して出願
専門学校入試まとめ
専門学校の入試制度は次のように大きく3つに分かれていますが
- AO入試
- 推薦入試
- 一般入試
今後専門学校入試も大学の入試と同様に変わるようです
大学で行われる入学試験は大学選抜制度と呼ばれ、次のように分類されます。
大学選抜制度
- 一般選抜
- 学校推薦型選抜
- 総合型選抜
大学選抜制度については別のページで紹介します
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